宇宙天気ニュース

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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

宇宙天気情報BOX
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Y. Obana
最新状況 (23:41)
今日、C4.2の小規模フレアが発生しました。
また、X5.1の大規模フレアが昨日発生しています。
太陽風が非常に高速です。
磁気嵐が非常に発達しています。
太陽放射線が非常に強くなっています。放射線帯電子はやや強くなっています。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
11/12 17:41 C3.1
11:50 C2.4
07:16 C2.9
01:52 C4.2
00:24 C2.7
11/11 18:52 X5.1
17:33 C6.8
17:03 M1.4
16:32 C4.8
15:22 C4.6
13:22 C3.5
12:18 C3.8
11:50 C2.9
11:18 C4.3
07:17 C5.8
04:46 M1.5
04:02 C4.5
02:53 C5.3
00:13 C7.8
11/10 23:52 C3.8
23:07 C6.0
22:00 C6.5
18:00 X1.2
15:45 C2.8
13:01 C2.6
12:39 C2.6
02:51 C5.4

黒点 11/12 (NOAA)
磁場 フレア
4272 1 α ---
4274 20 βγδ X5
4275 3 α ---
4276 11 β C5
4277 6 β C3
4279 1 α C3
4280 7 β ---
4281 2 β ---

太陽風 (DSCOVR)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
23:36 706 +7.1
-2 h 680 +9.5
-4 h 531 -15.2
-6 h 289 -22.8
-8 h 282 -3.6
-10 h 285 -6.5
-12 h 295 -4.8

磁気圏 (京大)
時刻
JST
Dst
nT
 
nT
23:30 -202 -/ -
-2 h -207 -/ -
-4 h -211 -/ -
-6 h -202 -/ -
-8 h -211 -/ -
-10 h -238 -/ -
-12 h -179 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 273 4x10^2
11/12 1460 5x10^3
11/11 156 1x10^4
11/10 29 2x10^3
11/ 9 0 2x10^3
11/ 8 0 1x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期短期
太陽写真 (swnews)
黒点動画 (SDO)
X線3日1日 (GOES)
SolarMonitor (TCD)
Latest Events (SolarSoft)
AIA193動画 (SDO)
AIA304動画 (SDO)
AIA131動画 (SDO)
GOES SUVI (NOAA)
LASCO (SOHO)
CCOR-1 (GOES)
STEREO (STEREO)
太陽風 1日 (DSCOVR)
太陽風 7日 (DSCOVR)
ACE1日7日 (ACE)
太陽風予報 (NOAA)
衛星電子 (GOES)
衛星陽子 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
K指数 (NOAA)
Canada (AuroraMAX)
昭和基地カメラ (NIPR)

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これまでの経過 (過去のニュースの 閲覧全リスト)
2025/11/ 7 13:53 太陽風の速度は670km/秒に高まっています。磁気圏の活動も活発になっています。
2025/11/ 8 13:13 太陽風の速度は850km/秒に高まり、現在は620km/秒と高速の状態が続いています。
2025/11/ 9 12:17 高層の太陽風は続いていますが、速度は580km/秒と下がり始めています。
2025/11/10 07:48 X1.7の大規模フレアが発生しました。CMEによる太陽風の乱れが地球に向かっています。
2025/11/11 11:40 X1.2の大規模フレアが発生しました。ハロー型のCMEが発生しています。

2025/11/12 14:30 更新
CMEによる太陽風の乱れが到来し、激しい磁気圏活動が発生しています。X5.1の大規模フレアが発生しました。

担当 篠原

CME(コロナ質量放出)による太陽風の乱れが到来しました。
ACE衛星の観測では、今朝、12日8時半(世界時11日23時半)頃に、
速度が700km/秒へ上昇し、磁場強度は40〜60nTに強まる
大きい変化が発生しました。

その後、太陽放射線の増加により速度の観測が行えなくなっていて、
現在の太陽風速度は分からない状態です。
速度の高まりは続いていると思います。

また、磁場強度は、60nTの強まりは短時間で終わり、
以降は、40nT前後で推移しています。
かなり強まった状態は続いています。

太陽風磁場の南北成分は、強まりの直後は南向きに大きく変化し、
-30〜-40nTもの激しい南向きが2時間程続いています。
磁気圏の活動はかなり活発になり、
AE指数は2000nTを超える激しい変化が2時間程発生し、
Dst指数は一気に-289nTに下がっています。

その後、磁場の南北成分は、0nT付近で変化する様になっていて、
磁気圏の活動は、ある程度落ち着いている様です。
AE指数のグラフは、500nT程度の中規模の変化になっています。


太陽では、昨夜、11日19時(世界時11日10時)に、
中心部北西側(右上)の4274黒点群で、
X5.1の大規模フレアが発生しました。
この規模のフレアの発生は、2024年10月3日のX9.0以来で、
1年1か月ぶりです。
GOES衛星SUVI 131の動画を掲載します。

4274群では、9日にX1.7、10日にX1.2、11日にX5.1と、
時間的にもほぼ1日間隔で、3日連続でXフレアが発生しました。
X線グラフを見ると、大きい高まりが3つ並んでいます。

このフレアに伴って、
太陽を丸く囲むように広がるハロー型のCMEが
上側にやや強く発生しています。
GOES衛星CCOR-1、
SOHO衛星LASCO C2、C3の動画を掲載します。

SOHO衛星の動画では、
途中から白いノイズが画面全体に発生しています。
これは、非常に高速の陽子(太陽放射線)が飛んできて、
カメラに当たってノイズを作り出しているもので、
snowstorm (吹雪)と呼ばれたりしています。
太陽風の速度データが測定できなくなっているのは、この影響です。

図の最後に太陽放射線のグラフを表示しています。
3段階で高まる様な変化が見えていますが、
最後の12日9時(世界時12日0時)頃の大きな高まりが
ACE衛星の測定に影響を及ぼすことになった様です。


NOAA/SWPCの現在の太陽風予報を見ると、
今朝、12日6時(世界時11日21時)頃に最初の乱れが到来し、
続く、12日12時(世界時12日3時)頃に次の乱れが到来し、
今夜遅く、12日23時(世界時12日14時)頃に、
昨日のX5.1の激しい乱れが到来すると考えられています。

最初の乱れが今朝になったのは、予報通りと言えそうです。
X5.1については、フレアの発生から1日と4時間後の到来とかなり早く、
この場合、太陽風の速度はかなり高まりそうです。
(図の中でも1000km/秒を超えるグラフになっています)

到来の時間帯としては、
日本での低緯度オーロラに関してかなり期待できそうです。
しかし、鹿児島の天気予報は雨となっていて、
私は挑戦できそうにありません・・・



Dst指数は、-289nTまで下がっていて、激しい磁気嵐が発生しています。
(c) 京都大学WDC


4274黒点群で発生した、X5.1の大規模フレア。
(c) GOES衛星SUVI 131 (NOAA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


太陽を丸く囲むように広がるハロー型のCMEが発生しています。
(c) GOES衛星CCOR-1 (NOAA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


SOHO衛星の画像では、太陽放射線による白いノイズが目立っています。
(c) SOHO衛星LASCO C2、C3 (ESA & NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


X5.1フレアのCMEによる太陽風の乱れは、12日23時(世界時12日14時)頃に到来する可能性があります。
(c) WSA-ENLIL太陽風予報 (NOAA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


GOES衛星のSUVI 195カメラによる太陽コロナの様子
(c) NOAA/SWPC



SDO衛星による太陽の可視光写真(SOHO衛星の画像ページより取得)。
マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。
(c) SDO (NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(黒線は全体の強度、赤線は南北成分)
磁場の向き、プラズマの密度、速度、温度
(c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース



AE指数(速報値)
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学WDC




27日の太陽周期に合わせた図
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) 作図:宇宙天気ニュース
コロナ
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
φ (度)
磁場 Bz,Bt
nT
Dst
nT
磁場短期変動
nT
イプシロン
MW
GOES 電子
/cm^2 s sr
GOES 陽子
/cm^2 s sr

コロナ
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
φ (度)
磁場 Bz,Bt
nT
Dst
nT
磁場短期変動
nT
イプシロン
MW
GOES 電子
/cm^2 s sr
GOES 陽子
/cm^2 s sr



GOES衛星の太陽X線強度。赤・橙 = 0.1〜0.8 nm、青・紫 = 0.05〜0.4 nm
(c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー陽子の変化
(c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース




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